『都市』Ville,1973-1974 | 田原 桂一 Tahara Keiichi LightScape


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都市  V i l l e



突き刺すような、押しつぶすような、

強い太陽が光の粒子をまきちらしながら、

巨大な壁のように立ち並ぶ建築群の石壁を侵蝕しつつ、

この街を照らしだす。


この時、石とガラスの都市パリはチカチカと光の粒子をはじけさせ、

石の内部に貯えられた内なる光とともに輝きだす。


見上げた空は、突き抜けるような底なしの深い深い青。

そこには宇宙の漆黒につづく黒い青空があった。


それは、日本の湿気を含んだ柔らかく包み込むような光ではなく、

乾いた硬質な、矢のように僕の眼を射る光だった。


その時、はじめて光を掴みとれるようにすらおもえた。

光を物質のようなものとして、

感じたしきっかけだったかもしてない。


Keiichi Tahara




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Ville,1973-1974

『都市』


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